【愛媛県】じゃこ天|有限会社安岡蒲鉾店

【愛媛県】じゃこ天|有限会社安岡蒲鉾店

2022/4月/28

〇小さな鮮魚店からスタート

 瀬戸内海と太平洋に面しており、日本有数の恵まれた漁場をもつ愛媛県宇和島。その様な宇和島は新鮮な小魚をすり身にして作るじゃこ天の名産地です。宇和島の名物じゃこ天を製造販売する店舗のひとつである、安岡蒲鉾店。昭和27年、もともとは小さな魚屋さんを開業した安岡蒲鉾店ですが、昭和57年にかまぼこ業に専念するために会社を設立しました。以降、職人さんと共に宇和島のじゃこ天の伝統の味を守り続けられています。

安岡蒲鉾店外観

〇光る職人さんの技術力

 安岡蒲鉾店のじゃこ天の一番の特徴は、生の魚を使用していること。冷凍のすり身に依存せず、宇和海でとれた魚を一匹一匹手作業でさばいて作っています。美味しいじゃこ天作りができるのは、季節ごとに変化する魚の種類や身の特性を熟知している宇和島の職人さんの技術のたまものです。  またじゃこ天は、皮と骨もまとめてすり身にするのでカルシウムやEPAやDHAなどの栄養も満点。味わいとしては、塩味の強さとしっかりとした魚の風味、そしてじゃりじゃりした食感が特徴。軽く焼いて、大根おろしとポン酢で食べるとお酒のおつまみにぴったりです。

安岡蒲鉾店作業風景

〇伝統の味を守りつつ、様々な方に知って頂きたい

 取材をしてくださった安岡さんは、少しでも宇和島のじゃこ天の魅力を伝えるべく、YouTubeでの発信活動などにも力を入れられています。 内容は、じゃこ天の詳しい歴史や、おすすめのアレンジレシピなどです。 その他にも、工場見学やじゃこ天作り体験、都心部での出店など、じゃこ天の味を広く届けるために様々な活動をされている安岡さん。「かまぼこや天ぷらは年々食べる方が減ってきているのが現状。伝統の味や歴史、文化を守りながら、若い世代の方にも宇和島のじゃこ天の魅力を知って頂きたいです」とお話してくださいました。

〇取材者より

 冷凍のすり身を使用した天ぷらが増えてきている中、手間暇を惜しまず手作業で作られている安岡蒲鉾のじゃこ天。そのような工程や歴史を感じながら食べるとまた違った美味しさが味わえそうです。また、多くの方にじゃこ天の魅力を知ってもらいたいという想いから、あらゆる分野で行動を起こす安岡さんの行動力にも元気を頂きました。是非、安岡さんのYouTubeを観ながら、じゃこ天とお酒を楽しんで頂きたいです。(取材・文:フジオカ ユウキ)