【福井県】食器|豊彩窯

【福井県】食器|豊彩窯

2021/12月/22

〇伝統を受け継ぎつつ、現代風のアレンジに

 1996年に窯主の吉田豊一さんが創設した、福井県越前町にある「豊彩窯」。今から約850年前、平安時代末期に誕生したといわれる越前焼の伝統と技術を受け継ぎながら、現代のエッセンスを取り入れた器づくりを行なっています。鉄分を豊富に含んだ土で作る「豊彩窯」の器は、素朴でやわらかい風合いがありながらも現代にもよく馴染むデザインのため、いつもの日常にそっと寄り添ってくれます。

〇自由な発想で生まれる美しい器たち

 「豊彩窯」の看板アイテムは、卵を溶く時にぴったりな「たまごまぜまぜ」。液ダレのしにくい注ぎ口や箸を引っかけ口を付けた、料理好きな豊一さんならではのアイデア満載の1品です。ほかにも釉薬を4色も使った華やかなお皿など、これまでの越前焼にはない自由な発想によって、美しい器を生み出しています。

たまごまぜまぜ

〇漆や和紙とコラボした器も誕生

 2016年からは息子の雄貴さんが「豊彩窯」に加わり、いっそうパワーアップ。赤みの強い土の色味をいかしながらもカラフルな釉薬を使ったり、伝統的な技術を操りながらも西洋のデザインの食器をつくったりと、伝統と革新を掛け合わせていく器づくりは全国の器ファンをも虜にしています。数年前から漆や和紙といった地域の産業とのコラボレーションも行い、地域の発展にも尽力。伝統を継承しながら新しい取り組みにも果敢に挑戦していきます。

豊彩窯のお二人

〇取材者より

 今回お話を伺ったのは吉田雄貴さん。父であり窯主の豊一さんの背中を追い、焼き物の世界へ入りました。そんな雄貴さんが「豊彩窯」に入ったことにより、これまで滋味深い配色が多かった「豊彩窯」の器に変化が起こりました。雄貴さんが10種類以上の釉薬を作ることで、色味のある華やかな器を作ることができるようになったと言います。伝統を大事にしながら、そういった新しい発想・技術も取り入れていく柔軟な姿勢が、「豊彩窯」の人気に繋がっているのだなぁと思いました。(取材・文:船橋麻貴)

◆会社情報

サイト:豊彩窯 / 福井県丹生郡越前町にある「豊彩窯」では、越前焼の伝統や技術を継承しながら至極の器を作っています (housaigama.jp)
住所:福井県越前町