【北海道】ひでちゃん小麦味噌ラーメン|株式会社マルワ製麺

【北海道】ひでちゃん小麦味噌ラーメン|株式会社マルワ製麺

2022/1月/24

〇幻の小麦「ハルユタカ」を使用

 1964年創業の株式会社マルワ製麺は「お客様の食生活を麺と食材から豊かにしていく」をコンセプトにしています。幻の小麦と呼ばれているハルユタカを2014年から栽培している有限会社三雄産業とタッグを組み、ひでちゃん小麦®はるゆたかラーメンを開発しました。
 ハルユタカは江別市近郊では「初冬まき」が主流ですが、ひでちゃん小麦®ハルユタカは北海道・東の端っこオホーツク海に近い美幌町で「春まき」として栽培をしています。栽培期間がとても短く、他の品種に比べても麦穂の背が高いため、倒れやすく病気になりやすく、また、他の小麦に比べて収量も少なくとても生産するには難しいため、栽培をする農家がほとんどいなくなり、いつしか「幻の小麦」と呼ばれるようになりました。ただ、ハルユタカは、弾力性と粘着性のあるグルテンとなるたんぱく質を多量に含むため、特徴的な甘みとモチモチした食感が魅力的のため、製麺会社マルワ製麺より懇願され、2014年より栽培に喜多秀雄氏が取り組んでいます。魅力的な小麦のため、さらに1等粉・2等粉とこだわって引き分けして製粉し、引き分けた小麦を調合して製麺して誕生したのが「ひでちゃん小麦®はるゆたかラーメン」です。
 小麦の個性を出す製法で麺を打つ生産方法は手間もコストもかかり、業界では誰もチャレンジしようとはしませんでした。しかし、5年間作り続けた結果、固定のお客様に支持される人気商品へと成長しました。

小麦畑

〇隠し味は「ピーナッツバター」と「生クリーム」

 ひでちゃん小麦®はるゆたか味噌ラーメンのスープの隠し味は「ピーナッツバター」と「生クリーム」です。
 北海道は味噌ラーメンの激戦区。美味しいのは当たり前で、さらに高いクオリティが求められます。そこで、ターゲットを女性に絞り込み、女性がスープを飲み干す味噌ラーメンを作ろうと考えました。研究に研究を重ね、行きついたのが2つの食材だったのです。
 製麵では、様々な試行錯誤を繰り返した結果、ハルユタカの小麦を使用したこだわりの麺が誕生しました。小麦の味を味わっていただきたいという気持ちから、平打ちのウェーブに仕上げました。この麺にすることで麺がスープによく絡み、優しい味わいを引き立ててくれます。
 麺は生産者様の名前をいただいて「ひでちゃん小麦®」の商標登録を取得しています。

マルワ製麵、製造風景

〇お客様がワクワクする商品を作りたい

 美幌町はアスパラの街としても有名です。大手百貨店様からお話をいただきアスパラの加工品を作ることになりました。マルワ製麺は素材があれば、うどん、ラーメンはもちろん、パスタ、そうめんなど何でも作ることができます。
 一般的な製法で商品を作れば、もっと楽にものづくりはできるかもしれませんが、マルワ製麺は、販売する商品はお客様にワクワクしていただけるようなものにすると考えています。マルワ製麺とひでちゃん小麦®との強力なコラボレーションで、あっと驚き、食べていただいたお客様が笑顔になれるアイテムを作るのが夢です。

〇取材者より

 現代のテクノロジーを使えば、商品を効率的に生産することができる時代です。しかし、あえて真逆をいく小麦の生産者様とマルワ製麺様の熱い想いに共感をしました。
 「ピーナッツバター」と「生クリーム」のスープについての裏話など、ラーメンが食べたくなる取材となりました。無類のラーメン好きなので、原稿が描き終わったらご褒美にしようと思います。(取材:横山光紀、文:田中絵里)