福井県(12月お届け)

福井県(12月お届け)

2021/12月/01

アイテムをクリックしてインタビューをご覧いただけます。




※里芋のころ煮、福そばの生産者様インタビューは準備中です。

丹生酒造株式会社

〇創業300年!姉妹で経営

 1716年に創業し300年続く歴史ある酒蔵メーカーです。祖先は神主で、お神酒からスタートしました。現在は15代目の髙橋様と嶋田様が姉妹で経営されています。14代目を務めた髙橋様の旦那様が急死され、蔵を閉めるか悩まれていましたが、地域の皆様からの「閉めたらあかん!」というお声がけと応援に背中を押され、姉妹での経営を決断。1年間の休業を経て杜氏の井尾様に巡り合い、酒造りを再開され現在に至ります。

〇歴史から名付けられた”さくら鞠子”

 さくら鞠子はクラウドファンディングにより生まれた日本酒です。地域の方々の応援によって存続することができた恩返しとして、地域を盛り上げる気持ちでクラウドファンディングをすることにしました。酒蔵の前に鎮座する八坂神社の境内にはかつて立派な桜が咲いており、地域の誇りでした。老木により枯れ今では見ることはできませんが、その桜にちなんで”さくら”とつけました。そして桜は当地で誕生された京の公卿・飛鳥井氏の6代当主だった飛鳥井雅縁が手植えしたものと伝わっています。飛鳥井氏は歴代蹴鞠の師範である家柄だったことから、”鞠子”をつけ、”さくら鞠子”となりました。

〇こだわりの福井産

 ”さくら鞠子”のこだわりといえば、とにかく福井県産であることです。お米は「華越前・ハナエチゼン」という福井産を使用しています。ハナエチゼンは農薬や化学肥料を使用しない製法で作られたお米です。水は八坂神社の湧水を使用しており、この湧水は「延命の水」と呼ばれ、地域でも大事にされています。
 こだわりの原料で作られたさくら鞠子は、すっきりとした淡麗なお味になっています。食中酒としてお食事と一緒に楽しめるように、優しい甘さに仕上げています。大変飲みやすく、「日本酒はこれから」と考えていらっしゃる女性にはぴったりです。
 ペアリングとしては、その淡麗さから、お刺身や浅漬けのお漬物など淡白な食事との相性が抜群です。

〇取材者より

 髙橋様、嶋田様への取材を通して、地域への愛に溢れた酒蔵メーカー様だと感じました。取材の中でも何度も「地域の応援に応えたい」というお言葉がありましたが、時には地域の方々にアドバイスを頂きながら、改良を繰り返しており、地域の皆様と一緒に育てている日本酒なのだろうなと感じました。女性2名が経営されていることもあり、女性に寄り添って、原料にこだわり身体に優しいお酒となっています。そんなさくら鞠子で日本酒デビューとなれば最高だろうな、と思いました。さくら鞠子は飲んでいただいた方の意見をもとにどんどん成長させていきたいとのことですので、ぜひ感想をお伝えいただければと思います!(取材・文:鈴木悠紀)

ページトップに戻る

株式会社團助

〇永平寺修行僧直伝のごま豆腐

 大本山永平寺の門前の参道にあるごま豆腐専門店、團助。明治21年の創業当初は、大豆を原料とする豆腐店でした。永平寺を訪れるお客様に「永平寺らしい食でおもてなしをしたい」という想いから、永平寺の修行僧よりごま豆腐の製法を学び作り始めたのが、ごま豆腐店としてのはじまりです。そのような團助は、永平寺に商品の納入をする御用商として認可を得ているごま豆腐店。永平寺伝統の味を受け継ぎながら、参拝者におもてなしを続けられています。

團助外観

〇ごま豆腐は“もてなしの心”の象徴

 精進料理の中でも、特に手間暇がかかるごま豆腐は「おもてなしの心」の象徴と言われています。永平寺伝統のごま豆腐は、ごまを焙煎してから液状化するのが特徴。本体の豆腐は淡いクリーム色をしており、焙煎したごまの香ばしい風味が楽しめます。また味噌だれをつけて食べるのも特徴のひとつ。ごま豆腐に味噌だれをつけて食べるのは、永平寺が発祥です。
 もちろんそのままでも美味しいですが、取材に応じて下さった山本さんおすすめの食べ方は容器ごと湯煎にかけてあたためること。あたためることで、作りたてのように柔らかい食感と、ごまの濃厚な味わいを楽しむことができます。

〇永平寺の歴史とともに味わってほしい

 永平寺の開祖である道元禅師は、食事を司ることも修行のひとつであると位置づけた第一人者。團助のごま豆腐は、食と関わりが深い永平寺から受け継いだ大切な味です。
 山本さんは「永平寺と食のつながりには長い歴史があります。永平寺の御用達という名に恥じないように、伝統の味を守り続けています。永平寺の歴史を感じながら味わっていただけると嬉しいです。」とお話して下さいました。

〇取材者より

 お応えいただく言葉の端々から、永平寺に対する敬意と、その味と歴史を守り続けたいという意思を強く感じた取材でした。「永平寺さんのごま豆腐ということだけで、想いを持って食べていただけると思う」という言葉がすごく印象に残っています。お取り寄せはもちろんですが、実際に永平寺に足を運んで、土地の空気や歴史を感じながら味わいたいです。(取材・文:フジオカ ユウキ)

ページトップに戻る

三里浜特産農業協同組合

〇はじまりは明治時代から

 福井県・坂井市の「三里浜特産農協組合」が生産・加工をする三年子花らっきょは、明治時代から作られてきた歴史ある野菜です。三里浜特産農協組合では、1950年から約70年に渡り、三年子花らっきょをお届けしています。多くのらっきょうは、苗を植えた翌年に収穫するのが一般的です。しかし、三年子花らっきょは、苗を植えた翌々年にあたる3年目に収穫をします。長い年月をかけて育てた分、身がギュッと引きしまり、シャキシャキとした歯ごたえのある食感を味わえるのです。

濱中和美氏

〇塩・砂糖・お酢で作り上げる優しい味わい

 三里浜特産農協組合で作られる三年子花らっきょの味付けは、塩・砂糖・お酢の3つだけで仕上げています。その理由は、らっきょう本来の食感や風味を最大限に味わってほしいからです。素材の本来の良さを引きたてつつ、長期間保管できるよう砂糖の濃度を濃いめにしています。甘さと酸味の絶妙なバランスで、大人から子供まで、幅広い年齢の方に食べて頂きやすい一品です。

〇大人から子供まで多くの方に召し上がっていただきたい

 今回取材をさせていただいた三里浜特産農協組合の生産販売部長の横山様は、「私たちが作る三年子花らっきょを幅広い世代の方にお召し上がりいただきたいですが、特に若い世代の方やお子さんにもぜひ召し上がっていただきたい。」と仰っていました。
 近年、スーパーなどでらっきょうを買う人は少なくなっているように感じていると横山さん。しかし、子供の頃に食べて美味しいと感じたものは大人になっても食べるもの。だからこそ、今後も長く三年子花らっきょを愛していただくために、幅広い世代の方に召し上がっていただきたいとのことでした。
 三年子花らっきょは、酸味だけでなく甘味もあるのでお子さまにも食べていただきやすいです。ぜひ、お酒のおつまみに加え、ご家庭の食卓で三年子花らっきょを味わいませんか?

横山晴夫氏

〇取材者より

 3年かけて育てる三年子花らっきょは、農作物の中でもかなり長期に渡り丁寧に作られている作物だと感じました。また、らっきょう本来の食感と風味を堪能できるよう、塩・砂糖・お酢の3つの調味料だけで味付けをしているのもポイント。ぜひ、多くの方に味わっていただきたいです。(取材・文:下浦まいこ)

ページトップに戻る

株式会社越前水産

〇「福井に来たら必ずこれ!」

 干物などを売る、浜沿いの小さな魚屋さんからスタートした越前水産。1989年の創業以来、何よりも「美味しいこと」に徹底的にこだわる意思を受け継いでいます。今では全国に、へしこの味を愛する多くのお客様がいらっしゃいます。また、福井駅構内店では出張や旅行の際、「これが楽しみで」と買い求められる姿も多々あります。また、へしこと同様に人気なのが「焼き鯖寿司」。こだわりの焼き鯖と福井県産のお米を使い、職人さんが1本1本手押しして作られている逸品です。

〇特製のぬか床で熟成される飴色のへしこ

 へしこむ(漬け込む)という言葉からその名前が付いたともいわれている、福井県の名産「へしこ」。越前水産では上質な脂がのった鯖を塩漬けにし、福井県産コシヒカリのぬか床に1年間漬けて作り上げています。昔から浜に伝わる独自の配合を受け継いだ特製のぬか床の中で長期熟成したへしこは、飴色に輝き、味はもちろんのこと見た目からもその美味しさが伝わってきます。

へしこ

〇素材のよさを最大限に引き出す

 へしこを熟成させる樽は、大人がすっぽり入るくらいの大きさ。風通しが重要なため、大きな樽が並んだへしこ小屋は急斜面にあります。また、灼熱の夏の暑さを越さないと美味しいへしこにならないそうです。このように素材や製法等、全てにおいて、知識や経験が大切に受け継がれています。越前水産で扱う商品は水産資源のため、数の確保や新たな商品開発の際の検査などに気を配っています。時に、魚という素材の面白さやよさを引き出すためにどうしたらいいかを考えるのがやりがいでもあると、取材に応じてくださった高崎さんはお話しされていました。

〇取材者より

 へしこをはじめ、素材には大変なこだわりがあり「美味しいものしか出さない」という想いが、味への絶対の自信と人気に繋がっているのだと感じました。香りと味がしっかり楽しめるへしこは直前に焙って食べるのが美味しいそうです。また、お茶漬け、パスタ、スライス大根、さらにはクリームチーズと一緒に食べるのも絶品だとか。様々なアレンジが楽しめそうです。(取材・文:井上衣保子)

ページトップに戻る

豊彩窯

〇伝統を受け継ぎつつ、現代風のアレンジに

 1996年に窯主の吉田豊一さんが創設した、福井県越前町にある「豊彩窯」。今から約850年前、平安時代末期に誕生したといわれる越前焼の伝統と技術を受け継ぎながら、現代のエッセンスを取り入れた器づくりを行なっています。鉄分を豊富に含んだ土で作る「豊彩窯」の器は、素朴でやわらかい風合いがありながらも現代にもよく馴染むデザインのため、いつもの日常にそっと寄り添ってくれます。

〇自由な発想で生まれる美しい器たち

 「豊彩窯」の看板アイテムは、卵を溶く時にぴったりな「たまごまぜまぜ」。液ダレのしにくい注ぎ口や箸を引っかけ口を付けた、料理好きな豊一さんならではのアイデア満載の1品です。ほかにも釉薬を4色も使った華やかなお皿など、これまでの越前焼にはない自由な発想によって、美しい器を生み出しています。

たまごまぜまぜ

〇漆や和紙とコラボした器も誕生

 2016年からは息子の雄貴さんが「豊彩窯」に加わり、いっそうパワーアップ。赤みの強い土の色味をいかしながらもカラフルな釉薬を使ったり、伝統的な技術を操りながらも西洋のデザインの食器をつくったりと、伝統と革新を掛け合わせていく器づくりは全国の器ファンをも虜にしています。数年前から漆や和紙といった地域の産業とのコラボレーションも行い、地域の発展にも尽力。伝統を継承しながら新しい取り組みにも果敢に挑戦していきます。

豊彩窯のお二人

〇取材者より

 今回お話を伺ったのは吉田雄貴さん。父であり窯主の豊一さんの背中を追い、焼き物の世界へ入りました。そんな雄貴さんが「豊彩窯」に入ったことにより、これまで滋味深い配色が多かった「豊彩窯」の器に変化が起こりました。雄貴さんが10種類以上の釉薬を作ることで、色味のある華やかな器を作ることができるようになったと言います。伝統を大事にしながら、そういった新しい発想・技術も取り入れていく柔軟な姿勢が、「豊彩窯」の人気に繋がっているのだなぁと思いました。(取材・文:船橋麻貴) 

ページトップに戻る